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大須賀淳
2025.3.2 16:40

古代と現代をつなぐ「埋もれた憲政碑」

神奈川県海老名市にある「秋葉山古墳群」は、相模湾周辺で最大級となる(発見されたものだけで)6基を有した、国の史跡にも指定されている古墳群。

 

しかし、特に見学向けなどに整備されているわけでもなく、言われなければ古墳群とは全く気づかないような形で、住宅地の中の緑地として保存されています。

 

一方、この場所には古墳以外にも「歴史を物語るもの」が存在します。

 

それが、自由民権運動家(後に衆議院議員)で、頭山満が顧問となった大日本国粋会の幹事長も務めた胎中楠右衛門が建立した「憲政碑」。

 

憲政碑は、日本の憲政における功労者を慰霊するためのもので、この海老名と、都内の浅草本願寺の2箇所に作られています。細かな経緯などは、明治聖徳記念学会のこちらの文献(PDF)に詳しいので、ご興味のある方はどうぞ。

 

古墳の存在は明治期から判明していたようですが、おそらくそれが理由でその上に建立されたのではなく、この場所が周囲一帯を見渡せる高台の頂上なので選ばれたのだと思われます。

 

それでも、古代のクニの痕跡を今に伝える古墳と、そこから千数百年を経た立憲主義国家としての日本の礎に貢献した人々の顕彰碑のコラボレーションは、たまらなく「想像力のタイムマシン」を起動させてくれるモチーフです!

 

憲政碑のある2号墳の麓に行っても、ごくシンプルな墳墓の番号表示のみで、特に憲政碑に関する説明などはありません。

 

階段を登り頂上まで行くと、その中心部に憲政碑が鎮座しているのですが…

 

う、埋もれとる…!

 

通常の草木ばかりか、誰かが賑やかしに(?)植えたのか棕櫚の木までが大きく育って、碑を覆い隠してしまっています。

 

枝をかき分け麓に行くと、やっと碑の本体に。せっかく一番高い場所に建っているのに、周囲の景色は見えないし、周囲からも碑は見えません。

 

さらに無理やり裏側に周ると、一面に碑文が。

 

ちょっとこのままスラスラ読む教養を持ち合わせていないもので、ChatGPTに碑文を現代語訳してもらいました(こういう目的には本当に重宝する!)。


 我が国の憲政は、欽定憲法の発布によって明治二十三年に創始された。しかし、それが有終の美を飾るためには、政党の勃興が不可欠であった。政党の機運は早くから兆しを見せており、国会開設運動こそその先駆であった。そして、明治十四年に国会開設の大詔が下ると、まず自由党が組織され、翌年には改進党が結成された。両党は共に藩閥政府に対抗したが、その後の対立と抗争は政府の思惑にはまり、議会が開設されても勢力は二分され、直ちに藩閥政府を倒すことはできなかった。さらに、政府はしばしば議会を解散し、両党が争う中で漁夫の利を得ることを常とした。

 このような状況の下、自由党の先輩たちは命を懸け、財産を投じて奮闘した。しかし、議会で過半数を確保できなかったため、時には反対党と提携して志を貫こうとしたが、多くは失敗に終わった。この間の苦心は、筆舌に尽くしがたいものであった。我が神奈川県の有志も、石坂昌孝、村野常右衛門、森久保作蔵らをはじめとして、中央や地方において多年にわたり奮闘し、憲政の発展に尽くした功績は、誠に偉大である。藩閥政府を排撃するという一点においては、改進党の諸氏も同じ態度をとり、彼らの功績も忘れてはならない。

 国会が開設されてすでに四十余年が経過したが、憲政の運用にはなお遺憾の点が少なくない。特に近年、政党を否定する声が高まっていることは、これらの先輩たちに対して誠に申し訳なく、慚愧に堪えない。ここに憲政碑を建てるのは、先人の功績を称えるとともに、後世の人々がこれを見て彼らの志を偲び、我が国の憲政のために奮起することを願うからである。

 紀元二千五百九十三年(昭和八年十月)

               後進 胎中楠右衛門
               静波 関田昌佑謹書
               石工 前場直治


少し時代背景を加えると、建立前年の昭和7年(1932年)には五・一五事件が起きて政党政治の根本が揺らいだ事から、この碑文、そして碑そのものが生まれました。

 

それにしても、建立時点の「国会が開設されてすでに四十余年」からさらに90年以上経った今でも「憲政の運用にはなお遺憾の点が少なくない」は変わらないどころか、さらに遺憾の念が増しているありさまです。

 

特に、「内閣法制局」などという大層な名前の機関が、もはやかつての藩閥政府にも似た様相の自民党政権によって骨抜きにされ、皇位継承問題においても多数の国民の思いに反して憲法解釈を捻じ曲げた恣意的な答弁を行う姿などは、現代の国民として恥ずかしくてたまりません。

 

木々に埋もれてしまった憲政碑の姿は、まさに現在の日本における政治の姿を象徴するものと言えるでしょう。

 

我が国の憲政のために奮起する」ことは、胎中楠右衛門たちから100年越しで出された、我々への宿題です。

 

ぜひ、ゴー宣DOJOに集う我々が、その思いに応えようではありませんか!

 

「男系男子固執」は、伝統とアップデートの両方を蔑ろにする、現代の日本を覆う「藪」そのものです。

 

いよいよ明日に締め切りが迫った第121回ゴー宣DOJO in関西「天皇は双系が伝統である!」の会場でも、その伐採をダイナミックに展開して行きましょう!

 


開催要項
【第121回 ゴー宣DOJO in 関西】
■テーマ:「天皇は双系が伝統である!」
■日時:令和7年3月15日(土)14:00~17:00

■場所:大阪市内
■参加費:3,000円(中学生〜大学生:2,000円、小学生以下:無料)

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大須賀淳

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テーマ: ゴー宣DOJO in大阪「天皇は双系が伝統である!」

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